世界中で大人気のデジタルカードゲーム「ハースストーン」。
今回も、ハースストーンのカードを哲学的に解釈するという新たな試みに挑戦します!
第3回のカードは「リロイ・ジェンキンス」!
元ネタは海外のオモシロプレイヤーでして、マヌケなエピソードは必見です!
※ハースストーンが分からなくても読めるようになっています
「リロイ・ジェンキンス」とは?
ここでは、今回のテーマカード「リロイ・ジェンキンス」について説明します!
召喚時セリフ:「リッロォォォォイ、ジェエエンキィィィンス!」
攻撃時セリフ:「もういいだろ、始めようぜ!」
破壊時セリフ:「あー、チキンうめー」
非常に攻撃的なカードで、個人的にも結構好きですね。
元ネタは、オンラインゲーム「World of Warcraft」のプレイヤー!
そもそも、ハースストーンのカードの多くは、同じブリザード社のオンラインゲーム「World of Warcraft」のキャラクターから来ています。
そんな中、なんとリロイ・ジェンキンスはWorld of Warcraftのプレイヤーなのです!
なぜ一ゲームプレイヤーの彼がカードにまでなったのでしょうか?
リロイのやらかしエピソード
ここで、リロイを一躍有名にしたやらかしについて説明します。
危険な部屋の前で作戦会議があった
ある日、リロイの属するチームのメンバーが、部屋の前で作戦会議をしていました。
というのも、この部屋には無数の卵があり、卵を踏むとチビドラゴンが出てきてしまって危険だからです。
チキンを温めていて作戦を聞き忘れる!
しかし、このときリロイは家でチキンを温めていました。
そのため、作戦会議のチャットを見ていなかったのです…
危険な部屋に突撃!!
作戦を知る由もないリロイ。
突然、「もういいだろ、始めようぜ!」と言い、「リッロォォォォイ、ジェエエンキィィィンス!」と自分の名前を叫びながら部屋に突撃してしまうのです…
当然チームは壊滅…
当然、リロイが部屋の卵を踏み散らかしたため、大量のチビドラゴンが発生してしまいました。
慌てたチームのメンバーが駆けつけるも時すでに遅く、チームは全滅してしまいます…
当然非難されるも、「あー、チキンうめー」と意にも介さない様子でしたw
そう、彼のカードのセリフはこの一連の騒動から来ているんですねw
やらかしの動画はこちら↓
やらかしたことで大人気に!
この動画から人気に火がつき、リロイはなんとWorld of Warcraftの発売元ブリザード社のイベントにゲストで呼ばれることになったのです!
その後、リロイはWorld of WarcraftのNPCにもなるなどし、同じブリザード社のハースストーンのカードにまで採用されることになったわけですね!
リロイのように「チキン」で災難に遭った哲学者がいた!
リロイのような失敗はそうそうしないと思いますよね?
…実は、哲学者の中にも「チキン」でやらかしてしまった人がいたのです…
その名はフランシス・ベーコン!
それは、16~17世紀イギリスの哲学者フランシス・ベーコンです。
「知は力なり」という格言と、「イドラ」の思想で知られます。
余談ですが、ハースストーンのヒーロー「カドガー」の試合開始時のセリフが、まさにこの「知は力なり」ですね。
・カドガー
ベーコンの失敗とは?
では、そのベーコンの失敗とは何だったのでしょうか。
鶏に雪を詰める実験を試みるも…
ある日、ベーコンは実験しようと思い立ち、鶏の中に雪を詰める実験を行いました。
実験が元で風邪をこじらせ死亡…
しかし、寒い日に行ったために風邪を引いてしまい、それが元で亡くなることになってしまったのです…
冷凍技術を試すためだった!
これだと頭のおかしい人に見えかねないので補足します。
ベーコンが鶏に雪を詰めたのは、冷凍技術の実験です。
というのも、鶏肉は非常に腐りやすく、当時はなかなか保存ができなかったんですね。
そこで、鶏肉をどうにかして冷凍保存できないかと、雪を詰めていたわけです。
結果的に亡くなってしまったのは不運でしたが、きちんと意図があったうえでの行動だったということですね。
リロイとベーコンとの、奇妙な共通性
リロイとベーコン、この両者には奇妙な共通性があると考えます。
ベーコンの「イドラ」の思想から、その共通性を読み解きたいと思います。
イドラの思想とは?
「イドラ」とは、簡単に言うと「偏見」のことです。
代表的なものに以下の4つがあります。
- 種族のイドラ…人間の感覚に基づく偏見。 例:錯覚など
- 洞窟のイドラ…個人の限られた経験による偏見。 例:井の中の蛙など
- 市場のイドラ…伝聞の不正確さから来る偏見。例:噂、伝言ゲームなど
- 劇場のイドラ…権威や伝統を信じることによる偏見 例:天動説など
イドラの思想を、リロイのエピソードに当てはめる!
これらのイドラの思想を、リロイのエピソードに当てはめます!
種族のイドラ:卵の中のドラゴンなんて見えない!
もし、部屋の中に直接ドラゴンが見えたとしたら、さすがのリロイも突撃を思いとどまったことでしょう。
ですが、それは人間の能力の限界、卵によって何が起こるか、ましてや中にドラゴンがいるなんてわからないわけです…
洞窟のイドラ:部屋のしかけを知らない!
もし、リロイが部屋の卵のしかけを事前に知っていれば、無謀に突っ込むことはなかったはずです。
ある意味、彼の経験の狭さが招いた悲劇と言えなくもありません。
市場のイドラ:そもそも人の話を聞いてない!
伝聞が不正確…このエピソードのためにある言葉ですね!
言葉が誤って伝わったというか、そもそも伝わりすらしなかったという過ち。
劇場のイドラ:やらかしたのにブリザード社の恩寵を受ける!!
極めつけはこれです。
彼はやらかしたにもかかわらず、ブリザード社という権威から恩寵を受けているのです!
これじゃ、全滅したチームのメンバーが浮かばれないじゃないですか…
このことで、「ミスったほうが公式ワンチャンあんじゃね?」という誤った見解が広まらないことを切に祈ります…
最後に
今回はけっこういい感じにまとまったんじゃないでしょうか!
リロイのエピソードも面白いですし、哲学者ベーコンの思想やエピソードが妙にマッチしているのも書いていて楽しかったです。
まだまだ哲学的に面白そうなカードがたくさんあると思いますね!
デッキガイドも書いていますので、ハースストーンをプレーされている方はぜひご一読を!
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