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ハースストーンのカードを東大哲学科卒が哲学的に考察するよ~第2回 イセラ~

イセラ

世界中で大人気のデジタルカードゲーム「ハースストーン」。

今回も、ハースストーンのカードを哲学的に解釈するという新たな試みに挑戦します!

第2回のカードは、リクエストをいただいたため「イセラ」にしました!

※ハースストーンが分からなくても読めるようになっています

第1回の記事はコチラ!

 

「イセラ」とは?

イセラ

ここでは、今回のテーマカード「イセラ」について説明します!

召喚時セリフ:「我は夢見る…世界は震撼する」

攻撃時セリフ:「安らかに眠るがいい」

イセラは夢の世界の守護者!

イセラは、夢の世界の守護者であるドラゴンです!

夢の世界の生命たちが、悪夢によって狂気に陥らないように守っています!

強力な「夢カード」をくれる!

ゲーム上では、自分のターン終了時に強力な夢カードを1枚くれます!

夢カードは全部で5種類あり(下記参照)、その中から1枚がランダムで選ばれます!

※夢カードの詳しい説明はここでは割愛します

夢カード

出典:ハースストーン日本語Wiki

イセラと言えば「夢」!

このように、イセラは「夢」に強く関連したカードであると言えます!

そこで、「夢」の哲学について説明していきたいと思います。

 

「夢」の哲学とは?

夢

では、「夢」の哲学にはどのようなものがあるのでしょうか?

代表的なものを3つほど挙げてみます。

荘子「胡蝶の夢」

荘子

荘子は、紀元前3~4世紀ごろの中国の思想家です。

「胡蝶の夢」という説話が有名です。

ある日、荘子は蝶になった夢を見て目が覚めました。

普通は、自分が夢で蝶になったと思うでしょう。

ですが、荘子は、「自分(荘子)という存在は蝶が見ている夢にすぎないのではないか」という問題を投げかけたのです。

デカルト「方法的懐疑」

デカルト

ルネ・デカルトは、17世紀ごろのフランスの哲学者です。

「方法的懐疑」という、真理にたどりつくために疑わしいものをすべて疑う哲学的方法の中に夢の話が出てきます。

ここで、「自分が目覚めている」・「これは夢でなく現実である」といった認識は疑わしいと一刀両断されてしまうわけですね。

(確かに、私たちが夢を見ているときも、現実のことのように思いこんでいますよね)

ヒラリー・パトナム「水槽の脳」

ヒラリー・パトナム

出典:Wikipedia

ヒラリー・パトナムは、20世紀アメリカの哲学者です。

「水槽の脳」という思考実験で知られています。

水槽に浮かべた脳をコンピュータとつなぎ、意識が生じたとします。

「現実だと思っている世界は、この水槽の中の脳が見た幻覚ではないか」

このように呼びかけたのですね。

共通点:人生は夢と区別がつかない

いくつか夢の哲学を紹介しましたが、共通点があります。

それは、「人生は夢と区別がつかない」ということです。

「もしかしたら人生は夢ではないか?」と疑うことができ、しかもその疑いを決定的に否定することはできない。

これが夢の哲学の概要ですね。

 

イセラとの関連性は?

サニーレタスくん
サニーレタスくん
我は夢見る…給料5000兆円…レイニーは震撼する
レイニーデイ
レイニーデイ
安らかに眠るがいい!!

話を戻しましょう。

まずはおさらいです。

イセラは以下のようなカードであると説明しました。

  • 夢の世界の守護者である
  • 夢の世界の生命たちを悪夢から守っている
  • 強力な夢カードをくれる

これを踏まえて続けます。

「夢の世界の生命たちを悪夢から守っている」

ここで重要となるのは、「夢の世界の生命たちを悪夢から守っている」点です。

そこから、悪夢とは何なのかについて考えていきます。

人生にとって一番の悪夢とは?

さっそくですが、人生にとって一番の悪夢とは何でしょう?

お金を失う? 家族を失う? それとも自身の突然死?

どれも大きな悲劇ですが…一番の悪夢は、最後になってこれまでの人生を「ぜんぶ嘘さ!」とひっくり返されることではないでしょうか。

今まで築き上げたものが、一つ残らず崩れ落ちる…まさしく最大の悪夢ですね。

悪夢の正体は、「人生は夢かもしれない」という「疑い」

この一番の悪夢につながるものは何か?と考えると…それは「人生は夢にすぎないのかもしれない」という「疑い」ではないかと思うのです。

ちょうど、数々の哲学者たちが疑ってきたように。

しかも、疑いを否定する材料が見つからない…

まさしく人生の意義を揺るがされる危機なわけですね。

イセラは「疑い」からの守り神!

イセラは、夢の世界の生命たちをこの「疑い」から守っているのではないでしょうか。

たとえ夢であっても、否定しきれなくても、狂気に陥らなければいい。

生命たちの存在をありのままに肯定させることで、夢の世界の秩序を維持していると考えられます。

夢カードは人生の報酬の象徴!

そんなイセラがターン終了時にくれる夢カード。

この夢カード、人生の報酬の象徴ではないでしょうか。

何もない人生では、人はよからぬことを考えがちです。

だから、ランダムに報酬を与えることで、まさしく「夢」を見させているのではないかと!

実は夢カードには多少の当たり外れがあるのですが、それも含めて人生ということですね!

 

最後に

今回はけっこう気をつかって書きました。

ハースストーンをやったことがない方にもわかるように。

哲学の部分がわかりにくくなりすぎないように。

少しでも楽しんで読んでいただければ幸いです。

今後もシリーズ化していきますので、よろしくお願いします!

デッキガイドも書いていますので、ハースストーンをプレーされている方はぜひご一読を!

テンポローグのガイドはコチラ!

 


 

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