エンタメ哲学

ネットでひそかに話題の「天下一無職会」に哲学者が出たらどこまで行ける? 第1回はやはりニーチェ!!

ニーチェ

(2019/03/08更新:全体的に画像を追加しました)

皆さんは、「天下一無職会」をご存知ですか?

ネットでひそかに話題となっている、社会不適合者を決めるイベントです。

この天下一無職会に、悲惨な人生を送ることに定評のある哲学者たちが挑戦したら、いったいどこまで行けるだろう…というアイディアが浮かびました。

そこで、歴史上の哲学者を天下一無職会に参戦させ、どれぐらいのレベルになるのかを調べてみました!

第1回の挑戦者は、私が大学で専攻した最愛の哲学者ニーチェです!

ニーチェの記事一覧!

天下一無職会とは?

ニート

毎年クリスマスイブに開催される、社会不適合者の頂点を競うイベントです。

条件に基づいて「戦闘力」という数値を算出し、戦闘力が高ければ高いほど社会不適合であり、より先まで勝ち進めるというシステムです。

この天下一無職会に歴史上の哲学者が参戦したらどうなる?というのが今回の記事のテーマです。

ぶっちゃけ歴史上の哲学者には社会不適合気味な人も多いですから、かなり上位進出が期待できるのではないでしょうか!

参加条件

戦闘力の初期値は100で、その後は条件にしたがって戦闘力が加算されていきます。

条件ははっきり言って長いですが、戦闘力の算出方法を明確にするため、引用させていただきます。

【最低参加条件】無職:初期値100
【年齢】+(年齢-20)×8
【職歴】なし:+60、三ヶ月以下:+35、三ヶ月から一年:+10、正社員歴一年から三年:-10、正社員歴三年以上:-20、アルバイト経験:-5
【学歴】中卒:+40、高校中退:+35、高卒:+15、大学中退:+20、Fランク卒:+5、早慶・旧帝以上:-10
【異性関係(男性)】童貞:+30、三十代で未婚:+(年齢-29)×4、交際中:-10、既婚:失格
【異性関係(女性)】処女:+20、三十代で未婚:+(年齢-29)×8、交際中:-10、既婚:失格
【容姿】禿:+20、デブ:+15、チビ:+(170-身長)×3、不細工(男性):+15、不細工(女性):+25、イケ面:-15、美女:-30
【精神状態】引き篭もり:+60、統合失調症:+40、鬱病:+30、神経症:+10、アルコール・薬物依存:+45、イジメ・虐待などのトラウマあり:+35
【健康】重度の身体障害:+40、不治の難病:+35、軽度の身体障害:+20、虚弱体質(アトピー、喘息など)+15、軽い持病:+5
【経済】借金あり:+80、貯金ゼロ:+40、三ヶ月は心配なし:+30、一年は心配なし:+15、三年は心配なし:+5、一生心配なし:-90
【人間性】家庭内暴力:+50、親の年金にたかる:+30、自分を養うために高齢の母親がパート:+35、自分を養うために姉(または妹)が身体を売る:+40、
無職なのにギャンブル依存:+40、無職なのに風俗依存:+35、自分が無職である事が原因で親が泣いたことがある:+30、親が心労で病気になる(または死ぬ):+40、
家族からも煙たがられている:+25、兄弟姉妹または親族に性的な悪戯をした事がある:+35、自分のせいで一家が破産(または破産寸前):+45

出典:5ちゃんねるwiki

まあ、悲惨であればあるほど戦闘力が高いと思っておけば差し支えないですw

また、戦闘力とそのレベルの早見表も置いておきます。

戦闘能力早見表
戦闘力500以上:優勝候補
戦闘力400 – 500:ベスト4レベル
戦闘力300 – 400:本大会出場レベル
戦闘力200 – 300:予選敗退レベル
戦闘力100 – 200:初戦敗退レベル
戦闘力100未満:VIPで死ね

出典:5ちゃんねるwiki

はたして、哲学者の中に夢の戦闘力500を達成する者は現れるのでしょうか!?

第1回参加者:ニーチェ選手

ニーチェ

記念すべき第1回の参加者はニーチェ選手!

晩年は狂気の中で人生を終えるという、インパクトのある経歴が話題に!

第1回から早くも優勝候補なのではないでしょうか!?

1、年齢

ニーチェは1844年10月に誕生し、1900年8月に亡くなっていますので、死亡時の年齢は満55歳です。

そのため、当初は55歳で計算することを考えていました。

ですが、歴史上の人物は死亡時だとあまりにも年齢が高くなりすぎますし、なによりこれから悲惨な人生が待っているという趣旨にそぐわないので、各哲学者のもっとも悲惨な時期を基準に年齢を算出することにしました。

悲惨な時期といえば、ニーチェには象徴的なエピソードがあります

1889年1月3日、ニーチェはイタリア・トリノで騒動を引き起し、その数日後に友人たちに狂気じみた手紙を送るという奇行に走ってしまいます…

医師による診察の結果、進行性の麻痺と精神錯乱が認められ、以後亡くなるまで一生療養生活を送ることになってしまいます。

このときの年齢が満44歳であるため、「44歳」をエントリー年齢として採用します。

年齢による追加戦闘力は(年齢 – 20)× 8で表されますので、(44 – 20) × 8 = 192

これに戦闘力の初期値100を足すと…あっという間に292となり、いきなり本大会出場レベルに迫る強さを見せつけました。

2、職歴

教授

1869年、ニーチェはバーゼル大学の古典文献学の教授に招聘されます。

しかし、体調不良により、10年目の1879年に教授を辞職することになってしまいます。

これは条件の「正社員歴三年以上:-20」に該当するため、戦闘力は292 – 20 = 272となりました。

ぶっちゃけもっと引いてもいいような気もしますがw

3、学歴

学歴

ニーチェはボン大学へ進学し、教授の転属に伴ってライプツィヒ大学へ転学して卒業しました。

世界大学ランキング2019(※英語)によると、ボン大学は255位、ライプツィヒ大学は581-590位となっています。

日本で同じぐらいのランクの大学を探すと以下のようになります。

  • 260位:筑波大学
  • 571-580位:東京農工大学

筑波大学は東京教育大学を前進とする名門国立大学

東京農工大学は東京都の工学系の国立大学では東大・東工大に次ぐ難易度です。

いずれもとてもFランクには該当しない一流大学です。

これらのことから、ボン大学・ライプツィヒ大学ともに条件の「Fランク」には該当せず、条件の「早慶・旧帝以上:-10」と同等と考えて差し支えないと思われます。

以上より、ニーチェの戦闘力は272 – 10 = 262となりました。

哲学者は学歴だけはいいんですよ…学歴だけはね(遠い目)

4、異性関係(男性)

カップル

かつてニーチェは、作家ルー・ザロメと恋に落ちました

ですが、ザロメに求婚の申し出を断られてしまいます

そのため、一生を独身で過ごすことになってしまいました。

ですので、「三十代で未婚:+(年齢-29)×4」の条件が該当します。

※年齢的には40代ですがそのまま上記の式を使用します

追加分は(44 – 29) × 4 = 60となるため、これを262に追加して戦闘力は322となりました。

5、容姿

鏡

イケメン・不細工は個人の判断が入るため対象外とします。

判定できそうなのは禿・デブ・チビですかね。

禿?

肖像画を見る限り、禿ではなさそうです。

デブ?

ニーチェの体重はわかりませんでしたが、こちらも肖像画を見る限りデブではなさそうです。

チビ?

「ニーチェ 身長」でググったところ「173cm」と出ました。

170cmを超えていますのでチビではないでしょう。

まとめ

というわけで、容姿での戦闘力の加算はゼロで、戦闘力は322のままです!

6、精神状態

心

ここが一番判定の難しいところです。

というのも、ニーチェの症状については、現在でも諸説あって結論が出ていないためです。

該当しそうな条件は以下の通りです。

  • 引き篭もり:+60
  • 統合失調症:+40
  • アルコール・薬物依存:+45

一つ一つ見ていきましょう。

引き篭もり?

引き篭もりだったことは間違いないでしょう。

亡くなるまで一生療養生活を送ることになったわけですから。

そのため、+60は確定です。

統合失調症?

統合失調症に関してはグレーです。

確かに、ニーチェに精神錯乱が見られたことは事実です。

ですが、この精神錯乱を統合失調症とみなすかどうかは、見解が分かれるところなのです。

今のところは、精神錯乱は進行性麻痺に由来する症状だと考える説が一般的です。

というわけで、統合失調症とは断定できないため、条件には含めません

ただし、「この精神錯乱は実質的に統合失調症のような状態である」という見方もあると考え、参考記録扱いで戦闘力に含めた場合の戦闘力も算出したいと思います。

薬物依存?

薬物依存に関してもグレーです。

確かに薬物を使用していたという記録は残っているのですが、依存症にまで陥っていたかどうかの判断は難しく、依存とまでは判断できないのではないかと考えます。

したがって、薬物依存も条件には含めません

こちらも統合失調症と同じく、参考記録扱いとします。

まとめ

以上から算出した戦闘力は以下の通りです。

382(参考記録467)

うーん、一気にベスト4が見えてきましたね…

というか参考記録がもはや優勝に近いレベル

7、健康

健康

ニーチェは進行性麻痺を患っていました。

これは難病であり、結果的に死ぬまで治らなかったことからも、「不治の難病:+35」に該当すると考えて差し支えないでしょう。

というわけで、戦闘力は以下のようになりました。

417(参考記録502)

…暫定ですが、なんと2項目を残してベスト4進出レベルに!!

参考記録ではもう優勝レベルに達してるし!!

このまま第1回から優勝してしまうのか!?

8、経済

お金

ですが、ここで奇蹟が起こります

実は、皮肉にも彼の名声は精神錯乱後に高まることとなったのです。

一流の文章家と評され、未発表作品・自費出版作品が次々と刊行されることになります。

実際、彼は療養生活に入ったまま人生を全うするのですから、経済的にはほとんど心配がなかったとみなして差し支えないでしょう。

というわけで、条件の「一生心配なし:-90」が該当します!

これにより、彼は戦闘力を大幅に下げることに成功しました!!

327(参考記録412)

ベスト4まで高まった戦闘力は本大会出場レベルまで改善

残すはあと1項目!

9、人間性

性格悪い

該当しそうな条件は以下の通りです。

  • 親が心労で病気になる(または死ぬ):+40
  • 家族からも煙たがられている:+25
  • 無職なのに風俗依存:+35

親が心労で病気になる(または死ぬ)?

これは該当すると判断します。

史実として、ニーチェの母は1897年に亡くなっています。

ニーチェが亡くなる前に没したという事実を重く見て、条件を適用することにしました。

そのため、+40は確定です。

家族からも煙たがられている?

これは該当しないと判断します。

特に、ニーチェは妹から多大な尊敬を受けており、それは彼の死後も変わらないものでした。

確かに苦労はかけたかもしれませんが、煙たがられているとまではいかないのではないかと。

無職なのに風俗依存?

風俗依存に関してはグレーだと考えます。

というのも、進行性麻痺は性病に由来するものであるという説が有力であり、実際に娼婦とも交わっていたと言われているためです。

ですが、回数については一度きりとも言われており、依存していたとは考えにくいです。

また、時期についても若いころではないかともされており、いわゆる「無職」の時期に風俗を利用していたかどうか定かではありません。

したがって、条件には含めず参考記録扱いとします。

まとめ

これですべての集計が終了しました!

はたして戦闘力はいくつになっているのでしょうか…

結果発表!

ニート

結果、ニーチェ選手の戦闘力は367(参考記録487)となりました!

最終結果は本大会出場レベルでしたが、参考記録ではベスト4進出レベル(しかも優勝まであと13)と、なかなかの強者でした…

ですが、精神錯乱前の著書で名声を得ていたことが大きく、戦闘力を大幅に下げることができました!

やはり、哲学者を最後に救うのは哲学なのですね!

私も哲学で救われるゾッッ!!(どんなオチだ)

第2回も更なる強者を探してきますのでお楽しみに!

天下一無職会の続編!

 


 

記事を読んで、少しでも興味を持っていただけましたら、レイニーデイのTwitterのフォローをよろしくお願いします!